研究課題/領域番号 |
09670674
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
太田 宏平 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00152132)
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研究分担者 |
秋山 尚子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00256588)
清水 優子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20246507)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | Va24-T細胞 / natural killer T細胞 / Th1細胞 / Th2細胞 / 多発性硬化症 / 慢性炎症性脱骨髄性多発ニューロパチー / ギランバレー症候群 / 免疫吸着療法 |
研究概要 |
1)免疫性神経疾患におけるVa24+細胞 NKT細胞であるVa24+T細胞は自己免疫疾患で減少し、IFN-γやIL-4を産生することから調節性機能を有すると考えられている。そこで炎症脱髄性疾患でVa24+細胞の頻度を測定しその意義について検討した。その結果、多発性硬化症(MS)、慢性炎症脱髄性多発神経炎、Gullain-Barre^^´症候群(GBS)のVa24+細胞の陽性率は健常対照と有意な変化は認めなかった。しかし、Va24+T細胞の炎症性脱髄性疾患での役割を解明するために抗Va24+抗体とVβ11抗体を用いた多重染色による解析や対象の病期や治療などを考慮した解析が必要かもしれない。 2)免疫調節性サイトカイン産生T細胞の検討 実験的自己免疫性脳脊髄炎の病因においてTh1、Th2細胞間の制御機構は重要な役割を担っている。本研究では炎症性脱髄性疾患でのIFN-γとIL-4+T細胞の意義について検討した。各疾患の中でMSの憎悪期にはIFN-γ+CD4細胞は健常対照と比較して増加の傾向を示し、さらにステロイド治療後にIFN-γ+CD4細胞の減少とIFN-γ+CD4細胞/IL-4+CD4細胞比の低下を示す例があり、病勢によるTh1,TH2細胞間の制御機構の変化が予想された。 3)MSにおけるIL-2反応性NKγδT細胞の検討 MSでは未梢血γδT細胞が高値を取ることもあり、IL-2により活性化したγδT細胞は同時にnatural killer(NK)細胞のマーカーであるCD56を有し、一種の調節性の役割を果たしていると考えられる。この研究ではMSにおけるNKγδT細胞の動態や細胞障害活性について検討したが、一部のMSではNKγδT細胞は病期や治療による変動がみられ、細胞障害活性を介してMSの病態に関与している可能性が示唆された。 4)免疫吸着療法における白血球接着分子 炎症性脱髄性疾患で広く効果を認める免疫吸着療法(IAT)における細胞性免疫調節機構解明のためIAT中の未梢血白血球の接着分子の動態を検討した。IATにより多形核白血球のCD11bは著名に増加、CD62Lは減少を示し、また、T細胞を含む単核球のCD11b、CD62L発現は軽度に増加した。これは生体内で分布変化を伴う活性化多形核白血球や単核球を意味し、IATにより多様な免疫系の修飾が惹起されることが推察された。
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