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1998 年度 実績報告書

タイラーウイルスを利用した外来遺伝子の中枢神経内導入の試み

研究課題

研究課題/領域番号 09670675
研究機関金沢医科大学

研究代表者

大原 義朗  金沢医科大学, 医学部, 教授 (50203914)

研究分担者 小渕 正次  金沢医科大学, 医学部, 助手 (70257450)
キーワードタイラーウイルス / 中枢神経 / 外来遺伝子 / ベクター / マクロファージ
研究概要

昨年度、タイラーウイルス持続感染細胞であるマクロファージではDA株は増殖するものの、GDVII株はほとんど増殖しないことを明らかにし(J.Virol.71:729-733,1997)、このことからタイラーウイルスを外来遺伝子の中枢神経内導入のベクターとして利用するためにはDA株を用いることが適切であることを示した。DA株をベクターとして利用するためには、ウイルス持続感染に必須なマクロファージにおけるウイルス増殖に関するウイルス遺伝子領域を決定する必要があるため、今年度はDA株とGDVH株のリコンビナント・ウイルスおよび点変異ウイルスを用いることにより、マクロファージにおけるウイルス増殖に関するウイルス遺伝子領域を検索した。
リコンビナント・ウイルスを用いた実験では、マクロファージにおけるタイラーウイルス増殖には、DA株のL蛋白翻訳領域が重要であることが分かった。さらに点変異ウイルスを用いた実験ではL蛋白翻訳領域1079ntのAUGから翻訳されるL^*という蛋白が重要であることが示された(J.Virol.72:4950-4955,1998)。このL^*蛋白はDA株で合成されるが、GDVII株では合成されない。さらにL^*蛋白依存性のウイルス増殖はウイルスRNAの複製の段階で制御されていることが明らかになった。
上記のデータを踏まえて、DA株のL蛋白翻訳領域にリンホトキシン遺伝子を組み込んだリコンビナント・ウイルスを作製し、その発現を検討中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Takata et al: "L^* protein of the DA strain of TMEV is important for virus growth in a murine macrophage-like cell line" Journal of Virology. 72. 4950-4955 (1998)

  • [文献書誌] Obuchi M et al: "TMEV and its persistence" Neuropathology. 18. 13-18 (1998)

  • [文献書誌] Ohara et al: "Arthropod-borne tularemia in Japan" Am.J.Entomol.35. 471-473 (1998)

  • [文献書誌] 大原義朗: "神経感染症の疾患治療薬の分類と臨床薬里" 今月の治療. 6. 83-87 (1998)

  • [文献書誌] 吉田孝人他: "感染症の免疫学的機序" 日本医学館(印刷中), (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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