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1997 年度 実績報告書

虚血性末梢神経障害の治療法の確立ーTurning Pointの解明ー

研究課題

研究課題/領域番号 09670677
研究種目

基盤研究(C)

研究機関近畿大学

研究代表者

高橋 光雄  近畿大学, 医学部, 教授 (20028492)

研究分担者 三井 良之  近畿大学, 医学部・附属病院, 助手 (40268389)
木原 幹洋  近畿大学, 医学部, 講師 (00153172)
キーワード末梢神経血流 / 部分虚血モデル / マクロスフェア- / 水素クリアランス法 / 虚血性ニューロパチー
研究概要

研究実績の概要
本年度は、まず部分的虚血モデルの確立を行った。SDラットをペントパルピタールで麻酔し、開腹した、次に、左腸骨動脈を剥離し、大動脈分岐部の所とそれより1cm末梢端に動脈クリップをかけた。そしてその動脈クリップ端の間に0.5cmの切開をして、カニューレを挿入した。次にそのカニューレの先端をFemoralArteryに進ませ47万個の直径15マイクロンのマイクロスフェア-を注入した。次に、カテーテルをHypogastric Arteryに進ませ37万個のマイクロスフェア-を注入した。最後に、カテーテルをSuperior gluteal Arteryに進ませ17万個のマイクリフェア-を注入した。その後、総腸骨動脈を縫合した。この全行程を総腸骨動脈における血流遮断時間を30分以内で終了させた。
上記と同様の操作を行ったが、マイクロスフェア-の代わりにリンガー溶液を注入したラットも作成した。
手術後4週間の時点で以下の診断基準に従い麻酔の程度を判断した。
0点:全く麻痺が見られない
1点:軽度麻痺が見られる。尾を引っ張ると足指を広げる反射がある。
2点:中等度麻痺が見られる。尾を引っ張ると完全ではないが足指を広げる反射が存在する。
3点:重度麻痺が見られる。尾を引っ張ると僅かに足指を広げる。
4点:完全麻痺。尾を引っ張っても足指には何ら動きは見られない。
マイクロスフェア-注入群は2.5±0.4点を示したのに対して、リンガー溶液注入群は0点であった。
水素クリアランス法を用いて坐骨神経血流量を測定した。ラットをペントパルピタールで麻酔し、気管切開を行い人工呼吸器下でコントロールした。左坐骨神経分岐部を露出し、そこに先端直径5マイクロンのガラスで被覆した微少電極を刺入した。つぎに、ラットに10%水素混合空気を吸入させ、坐骨神経分岐部の水素イオン濃度を測定した。水素イオン濃度が平衡状態に達したとき、ラットの吸入空気を通常空気にして、水素イオンの流出曲線から神経血流量を算出した。はマイクロスフェア-注入群が7.8±1.1であったのに対して、リンガー溶液注入群では11.7±0.9で有意差が存在した(P<0.05;対応のないt検定)。
以上の結果から、マイクロスフェア-100万個の注入法は中等度末梢神経血流モデル作成には適した方法であることが判明した。
次年度はこのモデルを用いて種々の治療法を試みて行く予定である。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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