本年度は、末梢神経虚血と老化の関連につき検討した。 【方法】 生後2ヶ月、6ヶ月、24ヶ月のSDラットを24匹ずつ合計72匹用いた。 (1)安静時坐骨神経血流量(NBF)の測定 まず各群のラットの左坐骨神経血流を測定した。NBFの測定方法は以前報告している数小電極水素クリアランス法を用いた。 (2)次に、左坐骨神経周囲にプールを作成し、その周囲をノルアドレナリン(10^<-5>M) ; 各群8匹、アンギオテンシンI(10^<-8>M) ; 各群8匹、エンドセリンII(10^<-7>M) ; 各群8匹をそれぞれ局所循環させて血液量の変化を視察した。 【table】 【考察】 加齢に伴い、末梢神経における血管収縮性物質に対する反応性は低下していた。私たちは、加齢に伴い末梢神経血流量が低下し、虚血状態になっていることを報告している。今回の結果と併せて考えると高齢末梢神経細胞は、虚血の結果か、代謝効率の低下の結果かは今後検討すべき課題であるが、若年と明らかに神経細胞代謝・血管反応性定低下しているものと思われる。一昨年度・昨年度のマイクロスフェアーの実験で虚血神経障害の友好的治療法を明らかにしたが、高齢者でこれらの治療を応用するにはさらに、種種の基礎実験を積み重ねる必要があると考えられる。
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