研究概要 |
単純ヘルペスウイルス(HSV)脳幹脳炎、脊髄炎/脊髄症はHSVl,2によるが、一部varicella-zoster virus (VZV),Epstein-Barr virus(EBV)等の関与も考えられている。髄液からのPCR法を用いて主としてHSVl,2の検出型別、ELISA(EIA)抗体との比較解析を行う。 本年度は、EIAによるHSVl,2型の型別を行った。 対象・方法:PCR,血清診断によるHSV脳炎(再発例1例,ADEM 2例,脳幹脳炎2例含む)10例,脊髄炎2例、髄膜炎4例合計16例の原則的に回復期の血清・髄液を対象とした。キットはGull社の開発したもので、gGlを抗原としたHSVl抗体検出用のプレート、gG2を抗原としたHSV2抗体検出用のプレート、HSV抗原を用いたプレートからなる。1以上で陽性値とした。 結果:HSV脳炎の10例では、9例が1型で、残る1例は不明、脊髄炎の2例においては、1例1型で1例2型で、髄膜炎の4例は、2例2型、1例1型、1例は不明であった。考察・結論:HSV CNS感染症におけるEIA抗体型別では、髄膜炎例を除いて主として1型によると考えられる。PCRの解析結果とほぼ一致していた。回復期の血清で検索できる長所がある。
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