研究概要 |
我々は,これまでに得たMxR1,MxR16cDNAのうち,5′-RACE,3′-RACEを行い,MxR1mRNAのcDNAの全塩基配列を決定した.MxR1mRNAはATG(203-205)から始まり,TGA(914-916)にストップコドンがでる711ヌクレオチトのオープンリーディングフレーム(ORF)に237アミノ酸のタンパクがコードされている.この翻訳開始領域の塩基配列はKozakの配列(GCCAGCCATGG)に一致していたことから,このATG(203-205)は実際の翻訳開始として使用されている可能性が高い.5′非翻訳領域は202ヌクレオチドで,ポリA付加シグナルAATAAA(1693-1699)を含む3′非翻訳領域は832ヌクレオチドであり,前兆745ヌクレオチドのmRNAをコードしていた.これまでに,いろいろなモチーフの検索を行ったが塩基配列には以上のほかに特徴的なモチーフは見つからなかった.また,アミノ酸レベルにおいても,特徴的なモチーフは見つからなかった.また,3′-RACEによりC末端近くでフレームシフトをおこしているクローンが見つかり,異なる2種類のC末端をもつ蛋白をコードしている可能性もある.現在,MxR1 ORFにインフルエンザウイルスHAのエピトーブをタッグし,サイトメガロウイルスプロモーターの下流に挿入したプラスミドpCmxR1を作製して,COS-7細胞にトランスフェクトし,抗HA抗体(12CA5)により発現の確認を行った.今後,併せてMxR1 ORFを大腸菌で発現し,家兎免疫抗体を作製し,特異的抗体による免疫組織学的研究も行う予定である.
|