研究課題/領域番号 |
09670682
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研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
小島 崇 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経病理研究部門, 主事研究員 (30225429)
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研究分担者 |
川添 陽子 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経病理研究部門, 主事研究員 (60281705)
田沼 直之 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経病理研究部門, 研究員 (00281676)
松本 陽 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経病理研究部門, 副参事研究員 (90173921)
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キーワード | 多発性筋炎 / 筋炎惹起性T細胞 / T細胞レセプター / スペクトラタイピング / DNAワクチン |
研究概要 |
部分精製骨格筋ミオシンをラットに免疫して多発性筋炎を作製し、炎症巣より単核球を分離した。T細胞レセプターVβ1-20に対するプライマーを用いたRT-PCRの後、CDR3 Spectratypingを行い、浸潤T細胞のT細胞レセプターのオリゴクロナリティを検定した。その結果、Vβ8.2、Vβ10、Vβ12が筋炎特異的にクローン増加していることが明らかとなった。これらの多発性筋炎と関連するT細胞レセプターの候補遺伝子のバンドをゲルより切り出し、おのおのプラスミドに組み込んでクローニング後CDR3領域の塩基配列を決定したところ、特定の配列を持つものが多数認められた。このことは多発性筋炎は特定のVβ鎖を持つT細胞クローンが増殖して、発症することが示唆された。現在、これらの遺伝子クローンを発現ベクターに組み込んで、DNAワクチンとして動物に投与し、疾患抑制効果を検索しつつある。 また、部分精製骨格筋ミオシンをさらに精製して、筋炎発症に関与する抗原の特定を行った。いくつかのクロマトグラフィーを行って、精製ミオシンとC-蛋白を分離し、それぞれを免疫して、筋炎の発症頻度や重症度を分析した。その結果、C-蛋白は高頻度に重症の筋炎を誘発するのに対し、精製ミオシンは軽度の筋炎しか起こさなかった。この所見は筋炎発症には骨格筋に微量に含まれる蛋白が重要であることを示している。
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