研究課題/領域番号 |
09670693
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
天野 晶夫 群馬大学, 医学部, 助手 (00251108)
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研究分担者 |
永井 良三 群馬大学, 医学部, 教授 (60207975)
長谷川 昭 群馬大学, 医学部, 講師 (80156306)
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キーワード | 糖尿病 / 糖化ヘモグロビン / 高酸素親和性 / ヘモグロビン酸素解離 / 運動耐溶能 / 近赤外線モニタ / 乳酸アシドーシス / 骨格筋 |
研究概要 |
1.糖尿病における運動時乳酸アシドーシスに対する赤血球酸素運搬能の適応不全一嫌気性代謝閾値(AT)以上の運動で発生する乳酸アシドーシスは骨格筋でのhypoxiaを代償するためにヘモグロビン酸素解離を促進させるという適応現象を惹起するが、酸素高親和性の糖化ヘモグロビンが高値である糖尿病においてこの現象が生じるか検討した。糖尿病では一定の運動量に対する乳酸値の上昇が大であるにもかかわらず、P50(Hbが50%酸素と飽和したときの酸素分圧で、酸素解離シフトを反映)の変化はすくなかった。即ち、乳酸アシドーシスによる酸素解離の促進という適応は起こらなかった。この適応不全が運動耐溶能の低下の一因と推測された。 2.糖尿病における運動時骨格筋の酸素運搬能の障害一糖化ヘモグロビンの酸素高親和性により、活動骨格筋でも酸素運搬障害が生じるかを明らかにするために、酸素化、脱酸素化ヘモグロビン、組織酸素飽和度の絶対値表示が可能となった新しい近赤外線モニターを用いて検討した。糖尿病では運動時の組織酸素飽和度の低下が軽度で、酸素利用率の増加も少なかった。即ち、糖尿病ではヘモグロビン酸素高親和性により運動時骨格筋でも酸素利用能の低下が起こり、運動耐溶能低下につながることが明らかになった。 以上、糖化ヘモグロビンが糖尿病の運動耐溶能の規定因子として重要であることを明らかにした。
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