研究課題/領域番号 |
09670699
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉栖 正生 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20282626)
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研究分担者 |
阿古 潤哉 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (60292744)
江頭 正人 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (80282630)
神崎 恒一 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (80272540)
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キーワード | セル・サイクル / 血管平滑筋細胞 / アポトーシス / サイクリン / 転写因子 / 抗酸化剤 / 遺伝子導入 / 動脈硬化 |
研究概要 |
1)基礎検討として、サイクリンA遺伝子の発現調節機構の解析をすすめ、サイクリンAの転写レベルでの発現調節に対して、サイクリンAのプロモーター領域にあるATF/CRE部位と、同部位への転写因子ATF-1とCREBの結合が、サイクリンAのプロモーター活性に必須であるだけではなく、それら転写因子の燐酸化の状態が重要であることを報告した(J Biol Chem 1997;272:22259-22264.に掲載)。 2)すでに抗酸化剤処置によってアポトーシスを起こしている血管平滑筋において、サイクリンA遺伝子の発現が上昇していることを見出しており、その機序を解析したところ、サイクリンAのATF/CRE部位に結合する転写因子複合体の量が増加していることを見出し報告した。(1997年日本動脈硬化学会総会にて発表)他にも、ある種の核内レセプターの発現の上昇を見出しており(未発表)、そのレセプターの過剰発現によるアポトーシス誘導の可否を検討中である。 3)抗酸化剤による血管平滑筋細胞におけるアポトーシス誘導において、培養細胞の細胞密度が重要であり、細胞密度が高い時はアポトーシス誘導が困難となることを発見し、その機序として、セル・サイクルの停止が関与している可能性を報告した。(1998年日本循環器学会にて発表、in press)この現象は、増殖中の血管平滑筋細胞に対し選択的にアポトーシスを誘導する方法を確立する目的には合わないが、細胞増殖抑制に働くため結果的には、平滑筋細胞を抑制することが出来ると考えられ、問題はないと思われる。
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