研究課題/領域番号 |
09670702
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉浦 清了 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10272551)
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研究分担者 |
青柳 昭彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10251240)
百村 伸一 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10190985)
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キーワード | ミオシン / 分子生物学 / インビトロアッセイ / 光ピンセット |
研究概要 |
本研究の目的は分子の構造改変により心臓を駆動するのに最適なモーター特性を持ったミオシンを作成するための基礎的データを得ることであった。このために分子レベルにおけるミオシンの収縮機能測定系としてin vitro motility assayに光ピンセットを組み合わせた実験系の改良を行い、feedback-enhanced trapによりisometricに相当する条件下で1分子のミオシンとアクチンフィラメントの間に発生する力を測定することを可能にした。これを用いて心臓の適応において大きな役割を果たすと考えられている心筋ミオシンの2つのアイソフォームV1とV3の発生する力を測定、比較したところ両者は発生する力のピークの値に差は認められないものの力を発生している時間に差が見られこれが両者のエネルギー効率に差を生み出す原因となっていると考えられた。さらに現在心不全において増加しているとされる心房型ミオシン軽鎖の生理的意義に着目し、機能解析を進めている。これまでにに心房型ミオシン軽鎖の発現がin vitroにおける滑り速度を低下させることを見出したこれまでの検討によれば滑り速度の低いミオシンは力発生能力が高い可能性があり、この点について検討を行いつつある。すでに報告した心筋症型変異ミオシンの作成および機能評価からミオシン頭部の構造変化を増幅する役割を果たすと思われるC端のalpha-helixおよびそれに付着して機能を制御している軽鎖の重要性に着目し現在変異分子を作成中である。
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