研究課題/領域番号 |
09670705
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
沢登 徹 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (00014217)
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研究分担者 |
平岡 昌和 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80014281)
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キーワード | Antiarrhythmic agent / proarrhythmia / reentrrat tachycardia / rabbit right atrium / microelectrode method |
研究概要 |
家兎右房標本で8ヶ所より記録を行い、期外刺激法にて昨年度に引き続き、不整脈誘発を異なる薬剤濃度で試み、不整脈憎悪の頻度とその影響因子を検討した。フレカイニド1μM、5μM、10μMでの不整脈憎悪はそれぞれ3/6(50%)、2/6(33.3%)、0/4(0%)、ジソピラミド1μM、5μM、10μMでは4/5(80%)、2/5(40%)、0/5(0%)、セマチリド10μM、30μM、100μMでは318(37.5%)、1/7(14.3%)、0/4(0%)、ベプリジル2μM、5μM、10μMでは0/5(0%)、0/5(0%)、1/5(20%)を示した。ベプリジルを除く他の3種類の抗不整脈薬は濃度が高くなるに従い頻拍の誘発は抑制され、憎悪例は減少した。各抗不整脈薬の不整脈憎悪(-)、(+)群で有効不応期の延長を調べると、前者は軽度の延長、後者は有意な変化を示した。一方、ベプリジルは高い濃度で始めて憎悪を認め、その際の有効不応期は2.2倍と著しい延長を示した。不応期の不均一性を対象との比較でみると、その変化分はフレカイニド投与による不整脈憎悪(+)で13.2msec、憎悪(-)で23.3msec、ジソピラミドはそれぞれ17.5msec、4msecであり、薬剤により異なる傾向を示した。投与5分と15分での有効不応期の延長変化はフレカイニドで13%、37.5%、ジソピラミド7.5%、18%、セマチリドは15.8%、39.4%であった。この結果は不整脈憎悪例が薬剤投与後の早い時間帯に認められ、15分後減少したことを裏付けた。 以上より薬剤投与早期に認めた不整脈憎悪の影響因子には(1)薬剤濃度(2)投与の時間経過(3)有効不応期の延長の程度が関係することがわかった。
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