研究課題/領域番号 |
09670708
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
竹村 元三 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (40283311)
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研究分担者 |
藤原 久義 岐阜大学, 医学部, 教授 (80115930)
野田 俊之 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (00262759)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | アポトーシス / DNA fragmentation / 超微形態 / 心筋細胞 / 虚血・再灌流 / 心筋梗塞 / myocardial infarction |
研究概要 |
アポトーシスの超微形態とDNA断片化との関係を明らかにするための電顕的in situnick end labeling法(EM-TUNEL)の開発に着手し、これに成功した。本法により、アポトーシスに特徴的な濃縮した核クロマチンに断片化DNAが金コロイド粒子の集簇として電子顕微鏡下に可視化された。次に、本法を用いてウサギの虚血・再灌流心筋梗塞モデルを対象に心筋梗塞にみられる心筋細胞のDNA断片化と超微形態の関係を調べた。30分冠閉塞後、0あるいは30分再灌流では、超微形態はオンコーシス(oncosis,膨化死=従来のネクローシス)を呈しDNA断片化はみられず、ゲル電気泳動上もラダーパターンはみられなかった。しかし、2ないし4時間再灌流では超微形態上オンコーシスを呈した心筋細胞の核にDNA断片化がみとめられ、ゲル電気泳動でもラダーがみとめられた。再灌流の全時間を通じて典型的なアポトーシスの超微形態を示す心筋細胞はみられなかった。したがって、虚血・再灌流では心筋細胞が不可逆的オンコーシスになった後でDNA断片化が生ずる。このことはDNA断片化はアポトーシスの特異的所見ではない可能性を示唆する、あるいはオンコーシスの過程にアポトーシスのメカニズムが併存することを意味する。以上より、心筋細胞でみられるTUNEL陽性心筋細胞やDNAラダー、すなわち、いわゆる「アポトーシス心筋細胞」は、DNA断片化を伴ったオンコーシス心筋細胞であり、アポトーシスとは異なる範疇に属することが判明した。
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