研究課題/領域番号 |
09670716
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
稲野辺 厚 大阪大学, 医学部, 助手 (00270851)
|
研究分担者 |
堀尾 嘉幸 大阪大学, 医学部, 助教授 (30181530)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
キーワード | 内向き整流性カリウムチャネル / 膜2回貫通型カリウムチャネル / ATP感受性カリウムチャネル / カリウムチャネルの開口剤 / 膵臓 / スルホニルウレア / 心臓 |
研究概要 |
ATP感受性カリウム(K_<ATP>)チャネルは、心筋、血管平滑筋、膵臓、中枢神経等多くの臓器にわたって存在する。しかし、ATPだけでなく、NDP、Mg_<2+>、ポリアミン、pH、PIP2、G蛋白質などの種々の細胞内因子によってチャネル活性は修飾され、その作用機序は臓器によってかなり異なることが報告されている。さらに、カリウムチャネル開口剤や糖尿病治療剤等のK_<ATP>チャネル阻害剤の作用機序までも臓器ごとに差異がある。K_<ATP>チャネルはカリウム透過機構を担うKir分子Kir6.1、Kir6.2と膜13回貫通領域を持つスルフォニルウレア剤受容体分子(SUR)SURl、SUR2A、2Bが複合体を形成することで、機能チャネルを作っている。Kir6.xとSURxの2種の異分子を培養細胞に発現させると機能的なK_<ATP>チャネルが再構成され、生体内のK_<ATP>チャネルと比較できる。SURlとKir6.2の組み合わせが膵臓β細胞のK_<ATP>チャネルと同様の特性を再現されるように、SUR2AとKir6.2、SUR2BとKir6.1からなるK_<ATP>チャネルの特性は、心筋、骨格筋と血管平滑筋に発現するK_<ATP>チャネルに各々相当するものであった。また、キメラ実験からKir6.xのコンダクタンスと自発的開口特性は、2つの細胞外領域間と細胞質内のN、C両末端側に存在する2つの領域によって決定されていることが判った。また、SUR2のC末端領域は、K_<ATP>チャネル開口剤の作用点近傍に存在するか、作用点の構造を維持するために必要であること、K_<ATP>チャネル開口剤のK_<ATP>チャネルに対する作用機序は、SUR上のK_<ATP>チャネル開口剤、ATPの作用点にKir分子が影響を与えることが明らかとなった。このようにK_<ATP>チャネルの薬理学的多様性は、このような異種分子の種々の組み合わせが一つの要因であることが判った。
|