研究課題
基盤研究(C)
本年度の研究では酸化によるATP感受性Kチャンネル(KATP)の活性化機構を以下の観点から明らかにした。1.モルモット心室筋細胞KATPを用いた検討patch clamp法により膜電流を記録しdisulfide結合を形成する酸化剤であるHgC12を表面潅流すると、外向き電流が活性化された。このHgC12による外向き電流は細胞外K濃度に依存し、glibenclamideはこれを完全に抑制し、nicorandilにより活性化されたKATPをHgC12はさらに相加的に活性化したことによりHgC12はKATAを活性化する。これに対して酸化剤であるthimerosalはKATPの活性化出来なかった。sulfhydtryl(SH)基の特異的還元剤であるDTTはHgC12によるKATPの活性化を完全に抑制した。cell-attached patchを用いたsingle channel recordingの実験からピペット内のHgC12は細胞外より直接KATPを活性化した。2.recombinantKATP channel(BIR)とスルフォニル尿素受容体(SUR2A)を共発現させnicorandilによりrecombinantKATPが発現していることをpatch clamp法により確認した。この状態でHgC12はrecombinantKATPを活性化し、DTTはHgC12によるKATPの活性化を完全に抑制した。以上の検討より酸化剤はKATPの2つのcysteine間にS-S結合を形成することでKATAを直接活性する事が判明した。
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