研究概要 |
1. 臨床症状及び病態の整理 QT延長症候群においては、心電図上QT dispersionを示すが、局所の壁運動もdispersionを示すのではないかと考え、心エコーを用いて検討を行った。8人のQT延長症候群の患者において左室短軸像を得て、前中隔、後中隔、前壁、側壁、後壁の収縮期における壁の収縮時間をそれぞれ算出し、その差をdispersionとして求めた。結果は正常人に比べ壁運動のdispersionは大きく、更に壁運動のdispersionと心電図上のQTdispersionは相関した(r=0.84,P<0.001)。この結果をHeart 1998;80:245-250において報告した。 2. 遺伝子診断 後天性QT延長症候群患者の血液のリンパ球からDNAを取り出し、従来報告されているLQT1,2,3遺伝子をPCRにより増幅することに成功した。 先天性QT延長症候群患者において、PCR後シークエンスを行い従来報告されている遺伝子の変異の有無を調べたが、現在のところ変異は認めていない。
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