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1997 年度 実績報告書

心不全における心筋収縮制御因子としての一酸化窒素(NO)の役割

研究課題

研究課題/領域番号 09670724
研究種目

基盤研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

筒井 裕之  九州大学, 医学部, 講師 (70264017)

研究分担者 田川 博章  九州大学, 医学部, 助手
大原 郁一  九州大学, 医学部, 助手 (90185364)
江頭 健輔  九州大学, 医学部, 講師 (60260379)
キーワード一酸化窒素 / 心筋細胞 / 収縮 / 心不全 / 陽性変力反応
研究概要

本研究では不全心における一酸化窒素(NO)発現の変化と単離心筋細胞の収縮機能を解析し、心筋収縮不全の修飾因子としての心筋細胞NOの役割について検討した。
雑種成犬に右室頻拍ペーシングを行い心不全モデルを作成した。心不全犬では、左室拡張末期圧の上昇、左室経の増大、左室駆出率の低下をみとめた。シトルリン法により測定した心筋の誘導型NO合成酵素(iNOS)および構成型NO合成酵素(cNOS)活性は、不全心筋でともに有意に亢進した。不全心筋細胞の収縮能は、正常心筋細胞に比し有意に低下した。正常心筋細胞の収縮は、イソプロテレノール(ISO;1nM)処置により用量依存的に増強したが、不全心筋細胞のISOによる陽性変力作用は有意に小さかった。NOS阻害薬であるN^G-nitro-L一arginine methylester;(L-NAME,0.1nM)自体は、心筋細胞収縮能を変化させなかったが、L-NAME前処置は、不全心筋細胞のISOに対する反応を有意に増強した(ISO 107.1±7.3% vs L-NAME+ISO 140.6±10.7%;p<0.05)。一方、正常心筋細胞のISOに対する収縮増強反応は、L-NAMEによってさらなる増強は認められなかった(ISO 135.5±9.9% vs L-NAME+ISO 137.1±11.4%;p=NS)。このようなNOS阻害薬の効果はNOS基質であるL-arginine(5mM)の同時投与により拮抗された。
以上より、不全心筋細胞で過剰に産生・放出されたNOは、心筋細胞の基礎収縮には影響しないが、βアドレナリン受容体刺激に対する陽性変力反応を直接減弱させると考えられた、したがって、心筋細胞で産生されたNOが、心筋収縮能の制御因子として心不全の形成に関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yamamoto S,Tsutsui H,et al: "Role of myocyte nitric oxide in β-adrenergic hyporesponsiveness in heart failure." Circulation. 95. 1111-1114 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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