研究課題/領域番号 |
09670745
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
那須 雅孝 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20180531)
|
研究分担者 |
栗城 聡 岩手医科大学, 医学部, 助手 (50285631)
八嶋 信浩 岩手医科大学, 医学部, 助手 (00285587)
深見 健一 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (90238444)
田代 敦 岩手医科大学, 医学部, 助手 (60227072)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
キーワード | 経胸壁ドプラ心エコー図 / 冠動脈血流 / 冠動脈狭窄 / 冠血流予備能 |
研究概要 |
Acuson社製Sequoia256と東芝社製Powervision6000を使用して経胸壁ドプラ心エコー図法により拡張期冠動脈血流をカラードプラ法で描出し、パルスドプラ法で角度補正を行わずに冠動脈血流速度を記録した。 心疾患患者172名を対象としたカラードプラ法による拡張期冠動脈血流シグナルの検出率は、左主幹部、左前下行枝近位部、遠位部、中隔枝では80〜90%であり、左回旋枝中間部や右冠動脈中間部では冠動脈血流の抽出は困難であった健康診査受診者312例での冠動脈血流シグナルの検出率も同様であった。 左前下行枝の拡張期冠動脈血流予備能(CFR)を本法とドプラガイドワイヤー法で求めるとその両者にはγ=0.87、p=0.001の正相関があった。しかし、両者で計測された血流速度の相関係数は0.55であった。この結果は、本法によるCFRの測定が可能であり、真の血流速度を計測することは不可能であるものの、同一測定点での変化率を測定することの妥当性を示唆している。 カラードプラ法で左冠動脈前下行枝近位部狭窄(内径狭窄50%以上)例46例中40例で狭窄部位に39cm/sのNyquist limitで折り返し現象(aliasing)が存在した。aliasingを呈する部位の拡張期最高速度(DPV)および拡張期平均速度(DMV)は、aliasingを伴わない非狭窄部位の速度に比較して有意に大であった。左冠動脈近位部でのカラーフローマッピングによりもっとも高いDMVと最も低いDMVの比(DMVR)は冠動脈狭窄例で有意に大であり、DMVR2.0以上で狭窄例と非狭窄例との識別が可能であった。 RentropII度以上の中隔枝を介する側副血流はカラードプラ法で高率に抽出できた(感度86%、特異度100%)。冠動脈疾患が疑われた入院患者連続65例で、DMVR2.0以上と中隔枝を介した左前下行枝への側副血流の検出を左前下行枝の冠動脈狭窄(内径狭窄50%以上)の診断基準として検討すると、冠動脈血流シグナル検出困難な6例を除くと正診率88%で狭窄の診断が可能であった。また、左冠動脈前下行枝近位部へ冠動脈形成術やstent留置所を行い、同部位のカラーフローマッピングが可能な40例での再狭窄の有無も同基準で診断可能であった(感度91%、特異度96%)。
|