研究課題/領域番号 |
09670749
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
福田 恵一 慶應義塾大学, 医学部・内科, 助手 (20199227)
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研究分担者 |
小玉 博明 慶應義塾大学, 医学部・内科, 助手 (70225457)
石川 士即 慶應義塾大学, 医学部・内科, 助手 (90193276)
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キーワード | Candionyocyte / cell cycle / terminal diflerentiation / Cyclirl / cdk / Tumor supllressor |
研究概要 |
【目的】近年開発された分裂能を保持したAT-1心筋細胞(ANPのpromoterにSV40large Tを挿入したトランスジェニック心筋)に対し、AngIIが分裂・肥大のどちらに働くかを明らかにする。【方法】AT-1細胞を48時間の無血清培養により細胞周期をG0にた。(1)AngII(10^<-9>-10^<-7>M)単独刺激およびaFGF、PDGF存在下のAngII刺激により、[^3H]-Thymidine uptakeを計測した。(2)AngII(10^<-7>M)刺激より6時間毎にRNAを抽出しcyclin A、B、C、D1、D2、D3、E、cdc2、cdk2のNorthern Blotおよびcdc2、cdk2のHiston H1 kinase assayを行った。(3)1型、2型AngII受容体拮抗薬(Losartan、PD123319)存在下にAngII刺激を行いBrdUのuptakeを抗ミオシン抗体との二重免疫蛍光染色にて観察した。【結果】(1)AngII刺激により容量依存的に[^3H]-Thymidine uptakeは上昇した。aFGF、PDGF存在下では上昇の程度はより顕著になった。(2)AngII刺激後6時間よりcyclinC、D1、D2、D3、cdk2の上昇を認め、18時間後よりcyclinA、cdc2の上昇を認めた。刺激後6時間よりcdc2、cdk2によるHistonH1のリン酸化を認めた。(3)免疫蛍光染色によりAngII刺激に伴ってAT-1心筋細胞がBrdUの取り込むことを確認した。この反応はLosartanにより抑制されたが、PD123319では変化しなかった。【総括】AT-1心筋細胞ではAngIIは1型受容体を介し細胞分裂促進的に働いた。このことは心筋細胞においてAngII刺激が細胞の状態(細胞周期への入りやすさ)によって肥大促進的・増殖促進的の双方に働くことを示すものと考えられた。
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