研究課題/領域番号 |
09670756
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
盛 英三 東海大学, 医学部, 助教授 (90146598)
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研究分担者 |
阿部 純久 東海大学, 医学部, 講師 (50159430)
安藤 潔 東海大学, 医学部, 講師 (70176014)
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キーワード | VEGF / 閉塞性動脈硬化症 / 血管新生 / 放射光 / 血管造影 / マイクロスフェアー / アデノウイルス |
研究概要 |
本年度の研究の目的は1)VEGF(VascularEndothelial Growth Factor)を発現する遺伝子をアデノウイルスベクター(advVEGF)を用いて兎の虚血心筋に投与して血管新生を介した虚血心筋の救済を試み、さらに動脈硬化症の有無によりどのようにVEGFの効果が修飾されるかを検討中することであった.また、遺伝子導入法の安全性を高めるために、2)ウイルスベクターを用いない遺伝子導入法の可能性をも兎のすることも関連する研究目標とした. 1)20羽(ニュージーランド白色種)を実験対象とした.この内10羽では高コレステロール食により高脂血症兎を作成し、他の10羽を対照群とした.麻酔下に直径15μmのZrまたはBrをラベルしたマイクロスフェアーを右または左冠動脈内に選択的に注入して心筋虚血を作成した.注入個数は体重1kgあたり2.8×10^5個として、3回に分割して注入した.注入直後と2週間後の、心筋血流分布、心筋壁運動、NADH蛍光、組織所見などからadvEGF投与による虚血の改善を確認した.単色放射光微小血管造影法では虚血部心筋における血管床の発達を裏付ける造影所見を確認した.今後、動脈硬化症の有無によりどのようにVEGFの効果が修飾されるかを統計的に解明する予定である.2)lacZを発現する遺伝子を組み込んだプラスミドをgelatin hydrogelと結合させて兎の下肢動脈閉塞モデルに投与することにより、プラスミド単独投与よりも遺伝子発現期間の延長、遺伝子投与量を減らすことができるかどうかを兎の下肢動脈閉塞モデルで組織学的に解析中である.3)放射光微小血管造影法は、VEGF投与による兎の下肢動脈閉塞モデルでの新生血管の評価、心筋内微小血管の心周期中の動態解析、皮膚の微小血管の体温上昇に伴う変化の観察に有効であることを明らかにした.
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