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1997 年度 実績報告書

時間医学の立場からみた心拍変動の「ゆらぎ・フラクタル・カオス」

研究課題

研究課題/領域番号 09670760
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京女子医科大学

研究代表者

大塚 邦明  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60038908)

キーワード時間医学 / 自律神経機能 / 心拍変動 / ゆらぎ / フラクタル / カオス / 複雑性 / クロノス
研究概要

【目的】心血管系の自律神経機能の評価に心拍変動(HRV)を用い、その概日リズムと加齢・性差の影響を検討した。【対象と方法】3歳から92歳までの正常血圧健常者ボランティア339名(男222名、女117名)を対象に自由行動下にてホルター心電図の24時間記録を行った。この記録の時間領域解析(SDNN,r-MSSD,RR50,RR50(+),RR50(-),pNN50,SDANN(1-,5-,30-,60-min),SDmean(1-,5-,30-,60-min)、周波数領域解析(LF-24h,HF-24h,L/H-24h)、フラクタル解析(相関次元CD,500秒を4Hzで再サンプリング,4時間毎)、複雑性解析を行った。HF成分、LF/HF、複雑性は1時間毎に計測し、概日リズムを解析した。統計処理にはone-and two-way ANOVAと6次のstepwise linear regressionsを用い、p<0.05をもって統計上有意とした。【結果】SDNN,r-MSSD,RR50,RR50(+),RR50(-),pNN50,SDANN1, SDANN5, SDANN30, SDANN60, SDmean1, SDmean5,SDmean30, SDmean60,LF-24h,HF-24hのいずれも、男女とも加齢とともに減少した(p<0.001)。HRVと加齢との相関図における減少の傾きは、次の7項目で性差が観察され、男性に比し女性の傾きが緩やかであった(r-MSSD,RR50,RR50(+),RR50(-),pNN50,HF-24h,L/H-24h,p<0.05〜p<0.001)。加齢に伴うHRVの減少は線形ではなく非線形であった。RR50は65歳で、SDmean1は72歳で、HF-24hは60歳で極小点を観察した。L/H-24hは上に凸の変化を示し、その極大値は男性で46歳、女性で34歳であった。HF成分は夜間大きく昼間小さい概日リズムを、LF/HFと複雑性は夜間小さく昼間大きい概日リズムを示した(p<0.001)。CDは20歳代が最も大きな値を示し、その後加齢とともに減少した。CDにも夜間大きく昼間小さい概日リズムが観察歳れた。【結論】心拍変動はクロノスとカオスのヤヌスの顔を持つ時系列変動である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kuniaki OTSUKA: "Vogal tone and various assessments of complexity of heart rate variability in healthy Japanese subjeds" Therapeutic Research. 19(2). (1998)

  • [文献書誌] 大塚邦明: "非侵襲的診断法 3, 時間生物学的アプローチ" 循環器専門医. 6(1). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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