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1998 年度 実績報告書

時間医学の立場からみた心拍変動の「ゆらぎ・フラクタル・カオス」

研究課題

研究課題/領域番号 09670760
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

大塚 邦明  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60038908)

キーワード時間医学 / 自律神経機能 / 心拍変動 / ゆらぎ / フラクタル / カオス / 複雑性 / クロノス
研究概要

(目的)冠動脈疾患患者の心拍変動を解析し、平成9年度に実施した正常血圧健常男性222名の24時間心電図記録から求めた心拍変動の正常値と比較することにより、時間医学の立場から見た冠動脈疾患心拍変動の特徴を抽出し、治療と生命予後の推測の一助とする。(対象と方法)30歳から88歳の男性冠動脈疾患患者66名を対象に自由行動下にてホルター心電図の24時間記録を行った。この記録の時間領域解析(SDNN, r-MSSD,RR50,pNN50,SDANN,SDmean)、周波数領域解析(LF、HF.LF/HF)、フラクタル解析(相関次元CD、500秒を4Hzで再サンプリング、4時間毎)を行った。統計処理にはone- and two-way ANOVAと6次のstepwise linear regressionを用い、p<0.05をもって統計上有意とした。(結果)冠動脈疾患患者のSDNN、SDANN、IF、LFならびにCDは、対照健常者に比し有意に小であった。また、健常者では心拍変動のほとんどの指標が加齢とともに減少したが、冠動脈疾患患者ではLF成分と相関次元だけに統計上有意の減少が観察された。冠動脈疾患を1枝病変群と多枝病変群に分けた検討では、心拍変動のSDNNとSDANNの低下の程度に群間差が観察され、多枝病変群で小であった。(結論)冠動脈疾患における心拍変動の異常は、数多くの心拍変動の指標のなかでも24時間周期のゆるやかなゆらぎを表現するSDNN・SDANN・TFと、非線形性を表現する相関次元に観察された。冠動脈病変の程度と心拍変動との関連にかんする検討では、その有意差はHFにではなくLFに観察された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kuniaki Otsuka: "Vagal tone and various assessments of complexity of heart rate variability in healthy Japanese subjects." Jherapeutic Research. 19・2. 265-275 (1998)

  • [文献書誌] 大塚邦明: "時間生物学的アプローチ" 循環器専門医. 6・1. 69-73 (1998)

  • [文献書誌] 大塚邦明: "循環器とサーカディアンリズム" 自律神経. 35・3. 271-279 (1998)

  • [文献書誌] Kuniaki Otsuka: "Weekly variation of time domain measures of heart rate variability and geomagnetics in Asian Chronome Ecological Study of heart rate variability." Therapeutic Research. 20・2. 388-395 (1999)

  • [文献書誌] 大塚邦明: "心拍変動の臨床応用 III.狭心症・虚血性心疾患と心拍変動" 医学書院, 37-60 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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