研究課題/領域番号 |
09670764
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
子島 潤 日本医科大学, 医学部, 助手 (00164658)
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研究分担者 |
遠藤 孝雄 日本医科大学, 医学部, 講師 (30152010)
木内 要 日本医科大学, 医学部, 助手 (50260972)
佐藤 直樹 日本医科大学, 医学部, 助手 (70291721)
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キーワード | 高頻度ペーシング誘発心不全 / CANP |
研究概要 |
【研究の概要】心不全進展過程における心筋細胞カルシウム活性化中性蛋白分解酵素(CANP)の役割を調べるために、心機能測定装置を植え込んだ高頻度ペーシング誘発心不全犬を用いCANP分解酵素阻害薬であるNCO700を高頻度ペーシング期間を通して慢性投与し検討した。 【本年度までの実績】ビ-グル犬5頭を麻酔し無菌的に左室圧ゲージ、大動脈圧及び左房圧カテーテル、心拍出量プローブ、右室ペーシングカテーテルを植え込んだ。イソプロテレノール(ISO)に対する心筋反応性を左室dP/dtを指標として調べたのち240/分で右室を4週間ペーシングし再度ISOに対する反応性を観察した後、致死量のペントバルビタールを投与し、心筋を後のβアドレナリン受容体数測定のために処理し保存した。高頻度ペーシング期間を通じて、5頭中3頭には生理食塩水を(対照群)、2頭にはNCO700を(NCO群)投与した。その結果、baselineの左室dp/dt(mmHg/sec)は対照群では3233±309から1900±163に低下し、NCO群では2950±50から1500±250に低下した。ISO(0.2μg/kg/min、5分間静注)に対する反応性(△dp/dt)は、対照群でペーシング前2000±294からペーシング後1400±1020へと低下、NCO群では2225±225から325±125へと低下した。 心筋βアドレナリン受容体数はNCO群の1頭で測定し92fmol/mgであった。 また1頭に機器を植え込み実験が進行中である。 【考案】実施頭数がいまだ少なく断定はできないが、現在のところ寧ろNCO投与群で心筋反応性が大きく低下し、仮説と逆の結果であった。CANPは本来心筋構成蛋白のturnoverにも関与するとされるが、その阻害が悪影響を及ぼす可能性も考えられた。いずれにせよ本年度研究を継続、完了させることによりCANPの役割の一端を解明できると考える。
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