以前、心不全において末梢血管のβアドレナリン受容体刺激反応が低下することは高頻度ペーシングによる心不全モデルを使用して示した。しかしながら、その低下が単にβアドレナリン受容体刺激伝達系のみの変化で説明可能であるかどうかはまだ解決されていない。そこで高頻度ペーシングによる心不全モデルを用いて末梢平滑筋のギャップジャンクションの機能を検討した。ペーシングを3-4週間行なった心不全犬とペーシングを行なわない正常犬から腸管膜動脈を採取し、イソプロテレノールによる血管拡張作用とフェニレフリンによる血管収縮作用がギャップジャンクション抑制作用を有すヘプタノールによりどの程度抑制されるかを評価した。しかしながら、データのばらつきが大きくその原因を解決するため灌流水温度の違い等可能性のある部分を随時変更しながらその究明に努めた結果、張力トランスデューサー内部にかなりの錆びがあることが判明し、現在、新規に張力トランスデューサーを購入し確認実験を開始したところである。従って、最終的な結論を得るにいま少し時間をいただきたい。なお、本モデルを用いた関連実験についての成果は前年度に報告したごとくです。
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