研究課題/領域番号 |
09670770
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00210279)
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研究分担者 |
森田 一郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30200413)
田淵 篤 川崎医科大学, 医学部, 講師 (60236726)
仲本 博 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10299183)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
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キーワード | 心内膜側細動脈 / 冠動脈slosh現象 / 高速度CCD生体顕微鏡 / niobium micro sphere / 血管拍動性 |
研究概要 |
[目的]本年度は、われわれの開発した高速度CCD生体顕微鏡(200フレーム/秒)を導入し、光マーカとしてNbマイクロスフェアを用いて心外膜側に比べ拍動性の強い心内膜側の血流を可視化とともに、心内膜側から心外膜側への血液の移動(slosh現象)の可視化も行い、α交感神経刺激に関連する心筋収縮と血流の評価を行う。 [方法]麻酔開胸下、雑種成犬を用いて、拍動下心内膜側微小血管の血流および心内膜側から心外膜側への血液の移動(slosh現象)の可視化のために、高速度CCD生体顕微鏡(200フレーム/秒)よる評価を行った。通常光で光る血流マーカ(niobium microsphere,直径2〜15μm,比重1.3)を冠動脈内に投与して心内膜側および心外膜側細動脈と毛細血管における血流の評価を行った。 [結果]心内膜側細動脈内血流の評価の結果、細動脈から毛細血管へ向かう血流は拡張期のみに限られ、冠細動脈の圧迫から生じる収縮期には2層性(収縮早期と後期)の逆流が認められた。これは、拡張期に一旦細動脈に入った血液が中枢側(心筋外冠動脈を含む)へ逆戻りすることを意味し、無駄な血液の往復、つまりslosh現象と考えられた。また、この波形は、心外膜側細動脈で観察される収縮期・拡張期にわたる順流血流波形(逆流は収縮早期に限られる)とは、異なるものであった。 [結語]高速度CCD生体顕微鏡と光血流マーカを用いることにより、心筋収縮による心内膜側心筋から心内膜側心筋ヘシフトする血流(slosh現象)の可視化が可能となった。
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