研究課題/領域番号 |
09670771
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
中田 真詩 久留米大学, 医学部, 講師 (70180304)
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研究分担者 |
中浦 宏幸 久留米大学, 医学部, 助手 (50279171)
岩見 元照 久留米大学, 医学部, 講師 (90203405)
西 宏文 久留米大学, 医学部, 講師 (60189248)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 肥大型心筋症 / トロポニンT / スキンドファイバー / splice-donor site変異 / Ca感受性 |
研究概要 |
肥大型心筋症は若年者の突然死の原因として重要な疾患で、病因としてサルコメアの収縮蛋白遺伝子異常が知られている。臨床的にトロポニンT遺伝子異常群は、心筋βミオシン重鎖異常群に比し、心筋肥厚は軽度で収縮力の低下を示す臨床的特徴が見られ、肥大型心筋症の遺伝的不均一性が存在する。トロポニンT遺伝子異常による肥大型心筋症の発症機序を解明するため、遺伝子異常トロポニンT蛋白の機能を検討した。 肥大型心筋症の原因遺伝子として11種の変異トロポニンTが報告されている。本研究ではヒト心筋トロポニンTcDNAのクローニングを行い、報告されているIntron15の変異を作成した。その結果Intron15の変異により二つの分子量の異なる変異蛋白が作成された。二つの変異蛋白はトロポニンT抗体を用いてimmunoblotingを行なうとwild typeより分子量が少なく、変異蛋白であると確認した。トロポニンT処理を用いて、精製した変異トロポニンT蛋白とウサギトロポニンI、Cの再構成を行なった。さらにウサギスキンドファイバーに組み込み、カルシウム感受性収縮と最大張力などの生理学的検討を行った。Intron15の二つの変異蛋白は両者ともwild typeに比し、スキンドファイバーでのカルシウム感受性収縮は亢進していた。さらに最大張力も亢進していた。これまで心筋βミオシン重鎖異常蛋白を用いた検討では、収縮力の低下により代償的な心肥大が生じていると推測されていたが、今回の結果から収縮力の亢進も肥大型心筋症の肥大発症の原因であり、治療としてのCa拮抗剤の効果が期待される。
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