小児の難治てんかんは、主要なものとして、大田原症候群、West症候群、Lennox-Gastaut症候群などが知られている。これらはある特異な年齢で発症する年齢依存性を示すが、てんかん発症の様態は全般けいれんが主体である。 電撃けいれんはけいれん現象のモデルではあるが、てんかんのモデルではない。てんかんのモデルとしてはキンドリングがあるが、通常のキンドリングモデルは電気的に扁桃核などを刺激して作成する部分てんかんのモデルである。 そこで平成10年度は全般てんかんのモデルとしてペンチレンテトラゾールによるキンドリングを作成し、これに対して、けいれん惹起性やけいれん抑制性の薬剤の影響を検討することとした。平成10年度はペンチレンテトラゾールによるキンドリングモデルの作成に費やした。マウスでは連日の50mg/kgのペンチレンテトラゾールの腹腔内投与で、8日目でstage 5-6のキンドリングが完成したが大半が死亡した。40mg/kgの投与ではstage 5に到達するのに約20日を要し、キンドリングは不十分に思われたが死亡には至らなかった。 今後この40mg/kg投与のモデルを用いて種々の薬剤の影響を検討していく予定である。
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