研究課題/領域番号 |
09670794
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
雨宮 伸 山梨医科大学, 医学部, 講師 (10118903)
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研究分担者 |
小林 浩司 山梨医科大学, 医学部, 医員
春日 明 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (60204400)
杉田 完爾 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60138055)
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キーワード | 小児 / 糖尿病 / インスリン分泌能 / インスリン感受性 / ブドウ糖感受性 / 病型分類 / 自己抗体 / T細胞 |
研究概要 |
A)小児期発症肥満type2糖尿病に関して頻回採血静注ブドウ糖負荷試験を行い,さらにBergman's Mimimal Modelの解析を加えた。1)日本人小児肥満では対照非肥満児に較べ、すでにブドウ糖感受性が低下しており、これが日本人におけるtype2糖尿病の若年発症の要因の1つになると推測された。2)肥満においてはそのインスリン感受性の低下は知られているが、思春期自体もインスリン感受性の低下の要因となることが明かとなった。3)さらに、単純肥満ではインスリン感受性の低下は内因性インスリンの分泌増加で代償されるが、日本人では軽症糖尿病から薬物治療を要する重症糖尿病においてインスリン感受性には有意差はなかったが、ブドウ糖による内因性インスリンの初期分泌は早期より認められ、重症化するとさらに有意に低下した。 B)従来のインスリン依存型糖尿病はHLAおよび自己抗体でtype1糖尿病として改めて、再分類し、臨床的に内因性インスリンの残余を含め極めて多様な像を呈することが判明した。1)自己抗体に関しては、GAD抗体が高値で持続要請を示す1群の存在が推測された。2)IA-2抗体は自己抗体によるtype1糖尿病診断の感受性を高めるが、思春期以降成人を含め診断への感受性には余り関与せず、若年発症者により有効な手段と判った。3)従来肥満インスリン非依存糖尿病、緩徐発症インスリン依存型糖尿病においても、type1糖尿病の内因性インスリンの残余が維持される1群との診断可能となった。4)各種自己抗体産生の特異性またはその持続産生性に関してのHLADRおよびDQの遺伝子解析との関連について明確な成績は得られておらず、T細胞の解析についてはCD8CD45RA陽性細胞の比率の増加傾向を観察しているが、サイトカインの分泌パナーンを検討するための自己抗原刺激を試みるべき特異性の高いT細胞クローンの樹立には至っていない。
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