研究課題/領域番号 |
09670794
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
雨宮 伸 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (10118903)
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研究分担者 |
小林 浩司 山梨医科大学, 医学部, 医員
春日 明 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (60204400)
杉田 完爾 山梨医科大学, 医学部, 講師 (60138055)
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キーワード | 小児期発症糖尿病 / 発症関連遺伝子 / HLA / NeuroD / BETA2 / インスリン感受性 / ブドウ糖感受性(Sg) / 初期分泌反応性 / 肥満 / 病型分類 |
研究概要 |
本年度は小児期発症糖尿病の発症因子について1型および2型の各病型において各々検討をすすめた。1型において約100例における解析を済ませたが、HLA genotypeによる自己抗体の出現頻度および発症形式、進展速度に違いは明確にできず、甲状腺自己抗体の出現にも特徴的genotypeは見いだせなかった。しかし、1型における発症関連因子iddm7として想定されてきたNeuroD/BETA2のAla45Thr多型が日本人成人症例では25%と高頻度が報告され、小児期発症例での検討を加えた。その結果Ala45Thr多型が対照群では9.5%に対し小児期発症1型では16.4%と、成人発症例に比べ頻度は低くなるものの、やはり高率であることが判明した。日本人の1型糖尿病罹患率の低さとの関連は明確にはできないが、HLAその他の免疫学的発症因子と直接関連しない因子の関与の存在が想定された。一方、2型については引き続き思春期肥満症例でのMinimal Modelの解析を行い。糖尿病への進展および増悪はインスリン感受性低下を代償すべきインスリン分泌特に、ブドウ糖刺激への初期分泌反応性の低下が日本人モデルでの特徴であることを明確にした。さらに、ブドウ糖感受性(Sg)が単純肥満群で既に低下している特徴も明確にした。これについては従来日本人においての人種的易罹患性としてその関与が、2型糖尿病患者の非糖尿病のこども等の検討からも、指摘されている。肥満における活動性低下の関与も想定されるが、今後の早期発症2型糖尿病の遺伝・環境因子の解析をすすめる上でも重要な手懸かりになると思われる。
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