研究概要 |
1.思春期前後のGnRHanalog(GnRHa)長期投与が性腺機能に及ぼす影響について基礎的検討を行った。 ラットで4週齢から12週間のGnRHa投与を行うと、直後では性腺機能は抑制されるが、6週後ではコントロールと同等の機能を回復した。 2.思春期前後のGnRHaと成長ホルモン(GH)の投与が性腺機能に及ぼす影響について検討した。 (1)方法;3週齢雄ラットに生理食塩水(C群)、GnRHa(L群)、GnRHa+GH(G群)を4週間投与した後、血中テストステロン(T)値の測定と精巣の組織検査を行った。 (2)結果;血中T値と精子数は、GnRHaを投与したL群とG群ではC群に比べて有意に低かった。 L群とG群についてRusselの精子形成サイクルに基づくステージ分類を行うと、G群はL群より有意に精子の成熟が進んでいた。 (3)結論;幼若ラットの性成熟段階においてゴナドトロピンを低下させた状態では、GHは精子形成を促進することが形態学的に明かとなった。 3.下垂体摘出ラットを用いて、GHの性腺機能への影響についてさらに検討した。 (1)方法;3週齢で下垂体摘出したラットに5-7週齢でホルモン投与(C群;生食水、FSH群10,30,100g/kg、LH群;0.2,1.0,5.0U/kg、および各群にGH0.3mg/kgを併用した群)後、精巣組織検査と生殖細胞数測定を行った。 (2)結果;C群では精巣の萎縮は著明であった。LH投与で生殖細胞の分化とSertoli細胞・Leydig細胞数の増加がみられた。FSH投与により、精細管組織の改善と用量依存性の精祖細胞の増加があり、GHを使用すると、間質の拡大と精母細胞の増加がみられた。 (3)結論;GHはFSHの存在下で間質組織を拡大させ、生殖細胞の成熟の促進する。
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