研究課題/領域番号 |
09670796
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小池 健一 信州大学, 医学部・小児科, 助教授 (40143979)
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研究分担者 |
沢井 信邦 , 助手 (60281044)
上松 一永 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (60262721)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | megakaryocyte / chemokine / IL-8 / IL-1 / thrombopoietin / IL-1 receptor |
研究概要 |
近年、血小板産生刺激因子としてトロンボポエチン(TPO)がクローニングされた。このTPO刺激下で抗CD34抗体結合免疫磁気ビーズ法により得られた臍帯血CD34陽性細胞を無血清培養すると、選択的に巨核球が産生された。次いで、培養上清中のサイトカインをELISA法で測定した。さらにRT-PCR法とフローサトメトリー法で巨核球中のIL-8産生を検討した。培養10日目の巨核球の培養上清中には数pg/mLのIL-lβ、IL-6とともに、1,000pg/mL以上のIL-8が検出された。巨核球培養上清による好中球の遊走能を検討したところ、FMLP刺激時の半分の遊走活性がみられ、抗IL-8抗体によりこの活性は消失した。IL-8産生はTPO、IL-1αの単独刺激に比べ、両者の添加により相乗的に増加した。RT-PCR法およびフローサトメトリー法により巨核球自身がIL-8を産生ずることが明らかとなった。以上より、TPOは巨核球の増殖分化を刺激するだけでなく、IL-1存在下で巨核球によるIL-8産生を促進することが示唆された。 さらに、培養巨核球を用いてIL-8以外の血小板内在性ケモカイン産生能を検討した。TPOにIL-1を添加すると、TPO単独に比べ、巨核球数、endomitosisや表面マーカーの発現には影響は認められなかったが、IL-8とGRO-αの産生が増加した。しかし、RANTES、血小板第4因子やβ-トロンボグロブリンの分泌能には差違はみられなかった。培養巨核球はIL-1受容体を発現しており、IL-1受容体に対する中和抗体の添加により、TPO+IL-1によるIL-8、GRO-α産生刺激能は消失した。以上より、巨核球はTPOとIL-1の共存下で、IL-1受容体を介してケモカイン産生能が高まることが明らかとなった。
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