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1998 年度 研究成果報告書概要

ファーバー症の病態・解明-遺伝子のクローニングとシグナル伝達異常の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09670805
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 小児科学
研究機関大阪大学

研究代表者

乾 幸治  大阪大学, 医学部, 助教授 (90175208)

研究分担者 西垣 敏紀  大阪大学, 医学部, 助手 (20283749)
岡田 伸太郎  大阪大学, 医学部, 教授 (30028609)
研究期間 (年度) 1997 – 1998
キーワードファーバー病 / セラミド / セラミダーゼ / アポトーシス / 遺伝子変異
研究概要

Farber病は酸性セラミダーゼの欠損により、セラミドが関節、皮下などに蓄積し、組織球の集族した肉芽腫形成を特徴とする疾患である。一方、セラミドがアポトーシスシグナル伝達分子であることが多数報告され、セラミドの蓄積と病態との関わりが指摘されている。我々は培養皮膚線維芽細胞を用いFarber病2症例における酸性セラミダーゼ酵素の遺伝子異常を明らかにし、セラミド代謝の検討、セラミド蓄積によるサイトカインの分泌、アポトーシスの検討を行った。2症例において、酵素活性は正常の約10-20%と低値を示した。cDNAの塩基配列決定により、1例はT290Λ(V97E)/G1105Λ(V3691)の複合へテロ接合、もう一例はGGT285-287del(V96 del)のホモ接合であることが判明し、COSl細胞での発現実験を行い、酸性セラミダーゼの活性は正常の10-25%と低下を認めた。内因性セラミド蓄積率測定では、正常コントロール1%に対し,Farber病は11%と正常の約10倍のセラミド蓄積を認めた。また、正常細胞、Farber病由来の細胞において、サルファタイド負荷、C2セラミド負荷においても経時的なIL-6の産生量においては差を認めなかった。症例1の結節除去術で切除された組織は、H&E染色ではリンパ管に富む靭帯様のやや疎な線維性組織の中に、明るい核と泡沫状の大型の細胞質を有する細胞が島状に集族して散在する。免疫染色ではCD68のみが陽性で、Fas,bcl-2,S-100,KEratin,Vimemtin,Lysozyme,αi-antitrypsin,smooth muscle actin,NSE,IL-6は陰性であり、明るい核と泡沫状の大型の細胞質を有する細胞はmacrophage由来と考えられ、また所々に核が濃縮し分菓したアポトーシスを疑わせる像が認められた。しかし、Tunnel法にてアポトーシスを検討したが、所々に陽性の核が認められるのみで有意な陽性を認めることは出来なかった。組織よりDNAを抽出し、DNAラダーの検討では、ほんのわずかにラダーを認めるのみであった。以上より、結節部位ではアポトーシスは起きていないと考えられた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Sakai N et al.: "Human galactocerebrosidase gene : promoter..." Biochem Biophys Acta. 1395. 62-67 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Fu L et al.: "Molecular heterogeneity of Krabbe disease" J Inherit Meta Dis. (in press). (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Mohri I et al.: "A case of Kearns-Syre syndrome" J Neurol Sci. 158. 106-109 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Taniike M et al.: "Suppressed LIDP-galactose : ceramide..." J Neurosci Res. 51. 536-540 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Takiyama et al.: "Molecular form and subcellular..." Brain Dev. 19. 126-130 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Manoj et al.: "Haplotype and mutation analysis..." Am J Hum Genet. 60. 1423-1429 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 乾 幸治: "小児科学 Krabbe病" 医学書印, 2 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 乾 幸治: "小児内科 小児筋疾患の展望" 東京医学社, 3 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 1999-12-08  

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