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1998 年度 実績報告書

新生児の生理的胆汁うっ滞に及ぼす人乳の役割と臨床疾患の関連について

研究課題

研究課題/領域番号 09670808
研究機関鳥取大学

研究代表者

新澤 毅  鳥取大学, 医学部, 講師 (70216216)

研究分担者 白木 和夫  鳥取大学, 医学部, 教授 (60010229)
小倉 嘉夫  鳥取大学, 医学部, 助手 (00135849)
武良 哲雄  鳥取大学, 医学部, 講師 (80093631)
河野 由美  鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (50243390)
キーワードbile acid / absorption / 小腸ループ法 / 母乳 / 人工乳
研究概要

【目的】 昨年度の研究報告で,人乳及び人工乳で保育したratにおいて,経口投与した放射性胆汁酸の胆汁中への排泄について報告した.人乳で保育したratでは人工乳・水で保育した場合に比べ^<14>C-cholic acidの胆汁中排泄は著しく遅延していたが,この場合,人乳がrat消化管内で凝固する傾向があるなど他の要因の関与が考えられたため,本年度は小腸ループ法を用いて胆汁酸の小腸からの吸収に対する人乳・人工乳の影響について検討した.
【方法】 基礎実験として,生後3週のwister系ratに対し,小腸末端から口側15cm長の小腸ループを作成,^<14>C-cholicacidおよび腸管内で吸収されない^3H-mannnitolの2種のアイソトープを含有した生食を充填し,一定時間後に内容を排出,洗浄し,放射性胆汁酸の消失率から胆汁酸吸収率を求めた.また,2種のアイソトープを人乳・人工乳・生食に混入したものを小腸ループ内に充填し,投与15分での胆汁酸吸収に与える人乳・人工乳の影響について検討した.
【成績】 経口投与に比べ小腸内に直接投与した場合の胆汁酸吸収率は投与5分;43.1%,10分;64.4%,15分;84.8%,30分;93%,60分;97.9%と著しく早かった.^3H-mannnitolの回収率は73.5±17.3%であった.生食に混じた場合(n=9)の胆汁酸吸収率は88.9±5.2%,人乳に混じた場合(n=8)は77.9±12.5%であったのに対して,人工乳(n=10)に混じた放射性胆汁酸の吸収率は52.2±15.0%と非常に劣り,人乳と人工乳の2群間でp=0.0034,人工乳と生食の2群間でp=0.0002と,著しい有意差を認めた.
【結論】 この結果からは人乳が胆汁酸吸収を促進するというより,人工乳により胆汁酸の小腸からの吸収が阻害されていることが考えられた.

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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