研究課題/領域番号 |
09670808
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
武良 哲雄 鳥取大学, 医学部, 講師 (80093631)
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研究分担者 |
河野 由美 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (50243390)
小倉 嘉夫 鳥取大学, 医学部, 助手 (00135849)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 母乳 / 胆汁うっ滞 / ビタミンK / テオフィリン / 胆汁酸依存性胆汁 / cAMP / 部分肝切除 / 胆汁酸輸送蛋白 |
研究概要 |
ラット胆管瘻実験を用いたこれまでの母乳に起因する胆汁うっ滞機構をまとめると、(1)母乳投与はビタミンKの吸収を阻害する(2)腸管での胆汁酸吸収に対して、人工乳の投与は阻害的に作用する(3)胆汁酸の吸収は回腸のみでなく、空腸での拡散も関与する(4)胆汁量および胆汁酸の吸収は摂取する栄養分により著しく異なった動態を見せたが、これらの現象は乳汁のどの成分が影響を与えているのかは不明である。(5)ラットに飼料を投与した場合、その吸収が著しく遅れることから腸管内での物理的性状が胆汁流量を調節している可能性も考えられる。(6)胆管内への胆汁酸投与実験から、胆汁中に排出される胆汁酸量と胆汁流量との間には密接な関係が認められた。さらに、この実験系に母乳あるいはテオフィリンを共存させて、投与すると、胆汁酸依存性の胆汁流量は減少する事が確認された。この結果から、テオフィリンは細胞内のcAMPレベルを上昇させ、塩素イオン依存性の胆汁流量に変動を与える可能性が示唆された。また、テオフィリンは肝血流量を減少させる事から、二次的に肝臓に作用している事も考えられる。もし、この推察が事実であれば、母乳による胆汁量の変化には細胞内のcAMP量が関与すると考えられるので、今後さらに検討する必要がある。 一方、部分肝切除後あるいは胆管結紮による胆汁うっ滞時の肝機能を検討していた時に、canalicular100kD胆汁酸輸送蛋白および肝細胞膜蛋白(26kD)の存在を確認しているので、今後さらに検討したいと考えている。 これらの結果の一部は、数編の論文として、現在投稿中である。
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