小児喘息患者の末梢血好中球は、患児の喘息の原因となっている抗原刺激に特異的に反応して、primingをうけることが判明した。その機序として、好中球のFcγレセプターに結合している抗原特異的IgG抗体が存在し、その抗体に抗原が結合することによる好中球の活性化が発生することが示唆された。まず、蛍光標識した抗ヒトIgGで好中球を処理すると、好中球表面に蛍光が観察された。次にこれが特異抗体であることを証明するために、抗原を蛍光標識し、好中球と反応させると好中球表面に蛍光が観察された。従って、喘息患者の好中球は、抗原によりprimingを受け、活性酸素を出し易い状態になっていることが判明し、これに細菌感染など更にもう1段階の刺激が加わることで、活性酸素を放出し、病態悪化に関与することが判明した。
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