研究概要 |
1. モルモット心筋からの電位依存性K^+チャンネルのクローニング (1) RNCKIAをモデルとしてプライマーを作成し,RT-PCR法によりモルモット心室筋K^+チャンネルをクローニングした. (2) クローニングしたチャンネルのcDNAの塩基配列,アミノ酸配列ともにRNCKIAと90%以上の相同性を示した.特に膜貫通領域であるS4-S6領域ではより高い相同性を示した. (3) クローンの組織別発現については心筋同様,肺・肝・腎・後頸筋・大脳にも発現しているが,心室・心房では他の組織より発現量が多かった. 2. QT延長症候群患者血清によるK^+チャンネルに対する抗原性の検討 (1) 既知のQT延長症候群の原因遺伝子であるKVLQT1,HERG,SCN5Aの膜外領域のペプチドを合成した.この合成ペプチドに対する患者血清の抗原性をELISA法にて検討した. 数種のペプチドに対して患者血清は抗原性を有していた. (2) 今回クローニングした遺伝子の蛋白に対しては患者血清は抗原性があるか,また患者血清はNa^+チャンネル,K^+チャンネルを電気生理学的にも抑制するか現在検討中である.
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