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1997 年度 実績報告書

パルボウイルスB19感染の病態多様性とその機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670823
研究種目

基盤研究(C)

研究機関札幌医科大学

研究代表者

工藤 亨  札幌医科大学, 医学部, 助教授 (30117618)

キーワードパルボウイルス / B19
研究概要

パルボウイルスB19(B19)感染の診断確定には血中B19DNAの検出、抗B19IgM抗体、抗IgG抗体の測定等が必要である.血液以外の臨床検体についてB19DNAの検出を試み診断の有用性を検討した.B19感染症である伝染性紅斑と診断された37例の児から得られた血清、咽頭拭い液、尿からB19DNAをPCR法を用いて検出を試みた.血清ではsingle PCRで32例(86.5%)、nested PCRで37例全例に検出された.咽頭拭い液ではsingle PCRで9例(24.3%)、nested PCRで全例、尿ではそれぞれ1例(2.7%)、29例(78.4%)であった.咽頭拭い液からは血清B19DNA量が多ければsingle PCRで、nested PCRを用いるならば全例に検出され、有用な臨床検体であることが判明した.
急性胃腸炎様症状で発症し汎血球減少を呈した5歳女児および児の発症12日後に同症状を示した41歳母親について、B19感染による無形成発作と診断し基礎疾患として遺伝性球状赤血球症の存在を証明した.これまでにB19感染により2系統ないしは汎血球減少を呈する例があることから、その機序について検討した.血球減少を呈したB19感染4例および伝染性紅斑4例について検索した.血球減少を呈した4例中3例に骨髄で血球貧食像が認められた.造血抑制性サイトカインであるINFγ、TNFα、IL1は、血球減少を呈したB19感染4例のうちINFγのみが2例で増加していたが、伝染性紅斑4例ではすべて測定感度以下であった.アポトーシスは血球減少を呈した4例中1例に認められた.INFγによる造血抑制のみならずマクロファージ活性化による血球貧食が示唆されるが他の機序も存在すると考えらた.B19感染により種々の病態を呈する症例の発見とウイルスDNAの保存を試みている.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 長谷山圭司 他: "種々の検体からのPCR法によるヒトパルボウイルスB19DNAの検出" 第29回日本小児感染症学会プログラム抄録集. C-27 (1997)

  • [文献書誌] 長谷山圭司 他: "ヒトパルボウイルスB19感染による造血障害の検討" 第45回日本ウイルス学会総会 ABSTRACTS. 1a-27 (1997)

  • [文献書誌] 長谷山圭司 他: "ヒトパルボウイルスB19感染により汎血球減少を呈した遺伝性球状赤血球症の母子例" 感染症学雑誌 第71回日本感染症学会学術講演抄録. 71. 187 (1997)

  • [文献書誌] Yoto Y et al.: "Latent infection of human parvovirus B19?" VIIth International Parvovirus Workshop.Program and Abstracts. p-60 (1997)

  • [文献書誌] Yoto Y et al.: "Detection for human parvovirus B19 antigen and antibodies in packed red cells by EIA" Inaugural Meeting of the European Society of Clinical Virology Final Program and Abstract Book. p-12 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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