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1998 年度 実績報告書

パルボウイルスB19感染の病態多様性とその機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670823
研究機関札幌医科大学

研究代表者

工藤 亨  札幌医科大学, 医学部, 助教授 (30117618)

キーワードパルボウイルス / B19
研究概要

パルボウイルスB19(B19)感染が疑われる例の発見とその診断の過程で潜伏感染と考えられる例を発見した.B19はこれまで単一の免疫血清型のみを有すると考えられて初感染後に再感染することはないとされていた.症例は9歳の悪性リンパ腫の児である.1991年3月にPCRでB19DNAが検出されB19IgM・IgG抗体価の上昇から初感染と診断された.3年後の1994年4月再びB19DNAが検出されB19IgM-IgG抗体価上昇が確認された.この間IgG抗体は陽性であった.B19ゲノム型をnested PCR増幅・制限酵素切断パターンから検討した結果,本児の1991年のB19ゲノム型は1994年と同一と判定された.対照として1991年および1994年の伝染性紅斑患児から得られたB19のそれぞれのゲノム型は異なるものであった.これらの結果から,1994年の感染はB19の異なるストレインの再感染というよりも初感染時B19の潜伏感染による再活性化が考えられた.
B19は,ヒトDNAウイルスとしては最小でエンベロープを欠くことから濾過や各種界面活性剤処理による不活化に抵抗性であり,かつ熱に安定な性質を示す.したがって血液製剤へのウイルスの混入によるB19感染の危険性は否定できない.これまでに輸血に使用された濃厚赤血球3,342単位につき検索したところ,B19DNAは7単位(0.21%)から,B19IgM抗体は22単位(0.66%)から検出された.これらの結果から輸血を介するB19感染防止のためにスクリーニングが必要と考えられた.
B19VP1領域遺伝子変異の有無からストレイン関連の病態につき検索を開始した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Haseyama K et al: "Detection of human parvovirus B19 DNA in cerebrospinal fluid" Pediatr Infect Dis J. 16. 324-326 (1997)

  • [文献書誌] Haseyama K et al: "Analysis of genetic diversity in the VP1 unique region gene of human parvovirus B19 using the mismatch detection method and direct nucleotide sequencing" J Med Virol. 56. 205-209 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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