研究概要 |
1. 3歳児健診における学習上に問題を有する小児のスクリーニング【対象と方法】(1)k町の3歳児健診対象児中、同意の得られた94名(男56名、女38名)に、指示の理解,図地判別,構音,片足立ち(JMAPより引用)を行い、結果を標準(G)3、注意(Y)2、危険(R)1点に換算し合計点を算出した。(2)合計点が低い児に問題の有無を確認した。【結果】(1)合計点4点は4名),5点は6名,6点は3名,7点は2名,8点は8名,9点は5名,10点は13名,11点は21名,12点(満点)は32名であった。(2)スクリーニングと同時に行った診察所見からは合計点9点以下では注意欠陥多動性障害、軽度精神遅滞、広汎性発達障害、環境的リスク児が主に選別されていた。1年後の経過を追跡しえた9点以下の5名中5名において問題が残存していた。 【考察】本年度は検査時間を短縮するため、3歳児では不通過でもよい線引きは省略しさらに例数を増やした。3歳児健診で同意の得られた児について検討したため、低得点児の割合が高かった。 2. 幼稚園における学習上に問題を有する小児のスクリーニング【対象と方法】前年スクリーニングを行ったK町A幼稚園5歳児(年中)56名(男29名,女27名)に前年同様の検査で追跡調査を行った。本年は結果を標準(G)3、注意(Y)2、危険(R)1点に換算し合計点を算出し、4歳時の結果と比較した。 【結果】(1)5歳児合計点9点は1名(1.8%),10点は3名(5.3%),11点は2名(3.6%),12点は3名(5.3%),13点は15名(27%),14点は13名(23%),15点(満点)は19名(34%)であった。前年4歳時の結果と比較すると、前年14点、12点から減点になった児が3名で、これらは5歳時点で発達上問題(境界知能・軽度精神遅滞・発達性言語障害を疑う)あり、逆に1名では前年9点が4点増加し問題はなかった。
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