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1997 年度 実績報告書

抗てんかん薬の発達薬理と体内動態モニタリング(臨床薬理遺伝学的検討も含めて)

研究課題

研究課題/領域番号 09670832
研究種目

基盤研究(C)

研究機関北里大学

研究代表者

三浦 寿男  北里大学, 医学部, 教授 (60050465)

研究分担者 岩崎 俊之  北里大学, 医学部, 助手 (70265627)
武井 研二  北里大学, 医学部, 助手 (50236410)
砂押 渉  北里大学, 医学部, 講師 (20171283)
白井 宏幸  北里大学, 医学部, 講師 (10154353)
キーワード抗てんかん薬 / 薬物体内動態 / 薬物血中濃度 / 薬物相互作用 / ゾニサ・ミド / カルバマゼピン / クロナゼパム
研究概要

Zonisamide(ZNS)は,腸管からの吸収が遅く,血中半減期が長いため,1日1回の投与でも血中濃度の日内変動が少なく,小児の部分発作に対する効果が優れていることを報告してきた.しかし,このZNS単剤治療が無効な症例にcarbamazepine(CBZ)を併用すると,ZNSの血中濃度が低下することも明らかにした.今回は,ZNS単剤1日1回投与法が無効な症例にclonazepam(CZP)を併用し,両剤併用時の血中濃度の相互作用と,CZP併用後の臨床効果を検討した.
対象は,ZNS単剤1日1回投与法が無効で,CZPを併用した3〜15歳(平均10歳1か月)の潜因性局在関連性てんかんの患児10例で,CZP併用時のZNSの投与量は10.6±3.1mg/kg/day,CZPの維持量は0.050±0.006mg/kg/dayである.CZPは1日朝夕2回の分服で,血中濃度の測定はCZP併用前後の定常状態で行い,個々の採血はZNSの血中濃度が日内で最低および最高濃度となる,朝服薬直前と服薬後4時間に行った.
対象10例のCZP併用前後のZNS血中濃度は,日内の最低濃度が29.9±8.7μg/mlと28.4±8.5μg/ml,最高濃度が36.8±8.2μg/mlと35.7±9.2μg/mlで,CZP併用前後でZNS血中濃度に変化はみられなかった.また,併用したCZP血中濃度は,朝服薬直前の日内の最低濃度が17.0±2.9ng/ml,最高濃度に近い朝服薬後4時間の測定値が21.3±2.9ng/mlであった.臨床効果は,CZP併用後1年以上の観察期間中,10例中7例では発作が完全に抑制されているが,3例では併用後も発作の抑制が困難であった.
以上,ZNSの単剤治療が無効な部分発作を示す症例にCZPを併用したが,CZPを併用後ZNS血中濃度に変化はみられなかった.また,併用したCZP血中濃度も,他のCZP単剤治療の症例の血中濃度と等しく,両薬物間に血中濃度面での相互作用は認められなかった.しかし,CZPを併用後,なお約1/3の症例で発作の抑制が困難であった.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 砂押 渉: "Lamotrigineの併用がcarbamazepineならびにcarbamazepine10,11-epoxideの血中濃度におよぼす影響" てんかん研究. 15・1. 17-23 (1997)

  • [文献書誌] 安保賢一: "小児の部分発作に対するクロナゼパム単剤治療の効果" 日本小児科学会雑誌. 101・5. 934-940 (1997)

  • [文献書誌] 安保賢一: "小児欠神てんかんに対するクロナゼパム単剤治療の長期効果" 日本小児科学会雑誌. 101・5. 941-946 (1997)

  • [文献書誌] 武井研二: "小児の覚醒児大発作てんかんに対するsodiumvalproate単剤治療の効果" 日本小児臨床薬理学会雑誌. 10・1. 92-94 (1997)

  • [文献書誌] Takei K: "Long-term outcome of epilepsy in children with tonicclonic soizures on awakening treated with valproate montherapy" Epilepsia. 38(Suppl6). 73- (1997)

  • [文献書誌] 三浦寿男: "薬物相互作用:その対策と予測-小児の場合-" TDM研究. 14・1. 5-6 (1997)

  • [文献書誌] 三浦寿男: "目で見る熱性けいれんの指導管理" ト-ア総合企画社, 1-32 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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