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1998 年度 実績報告書

川崎病患児の小腸内菌群によるスーパー抗原産生能の検討

研究課題

研究課題/領域番号 09670835
研究機関順天堂大学

研究代表者

山城 雄一郎  順天堂大学, 医学部, 教授 (10053159)

研究分担者 大塚 宜一  順天堂大学, 医学部, 助手
永田 智  順天堂大学, 医学部, 助手 (70266055)
小口 学  順天堂大学, 医学部, 講師 (30214092)
清水 俊明  順天堂大学, 医学部, 講師 (30260889)
キーワード川崎病 / 小腸内菌群 / スーパー抗原 / mitogen活性 / r-グロブリン
研究概要

1. 方法
川崎病患児10例(10か月-4歳、平均2.2歳、男:女=7:3)小腸粘膜より、S.mitis 8種,S.oralis 3種,S.hylcus 2種を分離した。それらの細菌群を液体培地にて37℃、24時間培養し、その培養上清を採取した。同一患児末梢血よりFicall法にて分離されたリンパ球を10^5個ずつ細胞培養用マイクロプレートにセットして、前述の各培養上清希釈液を加え、37℃、5%CO2インキュベーターにて72時間培養し、mediaのみをnegative control,抗CD3抗体をpositive controlとして^3H-thymidineを用いてmitogen活性を測定した。その際、negative controlより5倍以上のmitogen活性の上昇したものを陽性と見なした。
2. 結果
4例の末梢血リンパ球が同一患者の小腸から分離されたS.mitisの培養上清に対してmitogen活性を認めた。また、それらのリンパ球は全例γ-グロブリン投与前の末梢血由来であった。他の6例の末梢血リンパ球はいずれの細菌培養上清とも反応しなかったが、これらはすべてγ-グロブリン投与後のものであった。さらに、上記の活性を認めた4例について、γ-グロブリン投与後の末梢血について同一の実験を試みたところ、いずれの細菌培養上清に対してもmitogen活性を失っていた。また、正常対照児や健康成人のリンパ球は、これら培養上清に対して何ら反応を認めなかった。
3. 考案
川崎病患児リンパ球が、同一の患児小腸粘膜から分離された細菌群より産生された成分にのみmitogen活性を有するとしたら、川崎病発症に、従来のスーパー抗原の概念とは異なった、病因抗原と患児のリンパ球との極めて特異的な免疫応答に基づくものが関与することも推察された。また、γーグロブリンは、患児リンパ球自体に働きかけて、その免疫学的性質を変えることにより、病因抗原との反応をブロックする可能性も示唆された。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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