研究課題/領域番号 |
09670839
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
井田 博幸 東京慈恵会医科大学, 医学部・小児科, 講師 (90167255)
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研究分担者 |
衛藤 義勝 東京慈恵会医科大学, 医学部・小児科, 教授 (50056909)
長谷川 頼康 東京慈恵会医科大学, 医学部・小児科, 助手 (60256435)
大橋 十也 東京慈恵会医科大学, 医学部・小児科, 講師 (60160595)
大野 典也 東京慈恵会医科大学, 医学部・微生物第一, 教授 (60147288)
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キーワード | ゴ-シェ病 / モデルマウス / 遺伝子変異 |
研究概要 |
ゴ-シェ病への遺伝子治療の可能性を検討するためにはモデル動物を使用した実験が不可欠である。本年度はモデル動物に類似したヒトゴ-シェ病3例の臨床症状、生化学的分析、病理学的検討、遺伝子変異を検討した。新生児型ゴ-シェ病は胎児水腫、皮膚の異常、新生児発症という点で極めてゴ-シェ病ノックアウトマウスに類似している。今回検討された3例は全例早産未熟児(在胎:37週、26週、29週;出生時体重:2246g、1548g、2000g)であり、主症状は胎児水腫でいずれの例も肝脾腫を伴っていた。グルコセレブロシドが脳、肝、脾、腎、肺に蓄積しておりその程度は正常の50倍から100倍であった。病理学的には脳、肝、脾、肺、胸腺、副腎にゴ-シェ細胞が認められた。2例において遺伝子変異解析がなされ1447-1466 del 20 ins TG/L444R,1447-1466 del 20 ins TG/?という遺伝子型が同定された。1447-1466 del 20 ins TG変異は日本人新生児型ゴ-シェ病に比較的コモンな変異と考えられるとともに、これら変異はいずれもエクソン10に存在しておりエクソン9と10をネオマイシン遺伝子で置換することによって作製されたゴ-シェ病マウスのアナログとして新生児型ゴ-シェ病が位置付けられることが明らかとなった。今後この新生児型ゴ-シェ病の詳細な検討はゴ-シェ病モデルマウスを用いた遺伝子治療を含めたゴ-シェ病の神経症状の発現機序および治療の解明に寄与すると考えられた。
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