研究概要 |
1.microplate reader(MPR)を用いた酵素活性測定法は少量の検体量、大量の検体処理等の利点がありミトコンドリア機能検査への応用が期待される。(1)筋組織から分離精製したミトコンドリアからMPRを用いて電子伝達系複合体II-IIIに続きI、IV測定法を開発した。 (2)血液より分離した血小板からMPRを用い、複合体II-III、IVの測定法を開発した。MELASにおいて、卒中様症状出現時、complex IV低下を認め、DCA治療により改善と認めた。 (3)MPRを用いて血清free,total carnitine(Car)および血小板free Car測定法を開発した。Car欠損症の症例にL-Carを急性期、回復期に点滴静注投与し、急性期には血小板free Carの上昇が認められずcarnitine transporterの障害が示唆された。Reye-like症候群の急性期にも血小板free Carは低下しておりcarnitine transporterの障害が示唆された。 2.ミトコンドリア病患者、健常者から血小板、白血球を分離精製し液体窒素保存し約500検体を蓄積した。また、細胞培養におけるミトコンドリア活性化の検討を目指し、ミトコンドリア病患者の繊維芽細胞培養を、蓄積している。また、ρ^o細胞を用いた9176変異のcell lineを確立した。 3.PCRを用いてミトコンドリアDNA(mtDNA)のpoint mutation、deletationを検討を目指し、np3243,8344,8356,9176変異の同定をした。MELASの血小板mtDMAを検討し、卒中様症状時と回復期で3243変異率に変化がないことを確認した。 4.ミトコンドリア脳筋症へのクレアチン経口投与を臨床的に検討しMELAS患者に有効な結果を得た。
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