研究分担者 |
門間 和夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80075233)
松岡 瑠美子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50120051)
萩原 誠久 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00180802)
相羽 純 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80138891)
大田 真弓 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50277216)
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研究概要 |
肺動脈標本:胎仔動脈管は酸素で収縮する.胎仔や新生仔の肺動脈は低酸素で収縮するし、アシドーシスで収縮する場合と弛緩する場合がある.本年度は肺動脈がアシドーシスで収縮弛緩する際の、内皮細胞の関与について検討した. 生後3日の新生仔,生後6カ月の成獣家兎を用いた.新生仔、成獣家兎から径100・300umの肺動脈を単離し、血管が発生する張力、細胞内カルシウム濃度|Ca|i,細胞内pH(pHi)を測定した.血管標本を倒立顕微鏡のステージに作ったバスの上におき潅流した.細胞内Ca濃度はCa感受性色素fura-2を用い測定した.血管に蛍光色素fura-2をとりこませ、励起光をあて、蛍光の強ざから細胞内Ca濃度を測定した.細胞内pHは水素イオン感受性色素BCECFを用い測定した. あらかじめ高KClで収縮させた血管では、アシドーシスで胎仔新生仔では収縮、成獣では弛緩した.|Ca|iは一過性に低下後上昇,pHiは低下したが、その変化に年齢差はなかった.内皮細胞の有無で血管収縮、|Ca|i,pHiに有意差はなかった. イノシトール代謝を亢進させ筋小胞体でのCa代謝を活性化するPhorbol esterをあらかじめ投与し収縮させた血管では、アシドーシスで新生仔では収縮、成獣ともに収縮したが、成獣では大きく収縮したのに対し新生仔での収縮は小さかった.pHiの変化に年齢差はなかったが、Caの増加は成獣の方が大であった.内皮細胞の有無で血管収縮、|Ca|i,pHiに有意差はなかった. [結論]今回の実験条件では、アシドーシスによる肺動脈の収縮に内皮細胞が有意に関わっている所見は得られなかった.
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