研究概要 |
病原性大腸菌由来の易熱性エンテロトキシン(LT)及びその変異毒素(LT135)をアジュバントに用い、ICRマウス7週齢にVZV岡株(2x10^3PFU/ml)を経鼻接種し、VZV特異的細胞性免疫誘導能を調査した。 1)投与法としてPBS単独(対照)5例、VZV岡株(5μl,50μl,100μl)単独各5例、VZV岡株(5μl,50μl,100μl)+LT各5例、VZV岡株(5μl,50μl,109μl)+LT135各5例を選択した。2)細胞性免疫は上記混合液を2ヵ月間隔で3回経鼻投与し、その4週後にマウスfood padにVZV岡株(50μl)を接種、24時間後にfood padの発赤腫脹径を測定評価した(対照に比較し1mm以上の腫脹を有意と判定)。3)food pad試験の結果は以下の通り。PBS単独投与例;3.1±0.1、VZV岡株(5μl)単独;3.8±0.6、VZV岡株(50μl)単独;3.2±0.2、VZV岡株(100μl)単独;3.3±0.4、VZV岡株(5μl)+LT;4.1±0.6、VZV岡株(50μl)+LT;5.3±0.7、VZV岡株(100μl)+LT;5.2±0.7、VZV岡株(5μl)+LT135;4.2±1.2、VZV岡株(50μl)+LT135;5.3±0.7、VZV岡株(100μl)+LT135;5.2±0.7。以上より病原性大腸菌由来の易熱性エンテロトキシン及びその変異毒素をアジュバントとして用いることによりマウスにおいてもVZV特異的細胞性免疫が誘導され得ることが判明した。
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