研究目的 遺伝性ムコ多糖代謝異常症IVA型(GALNS異常症)のモデルマウスを作製し、本症の病態を解析し、新たな治療法を開発することを目的とする。 研究成果 1.既にクローニングしていたマウスGALNSのcDNAをプローブとして、数種類の臓器からのmRNAに対してnorthern blotを行い、各臓器におけるmRNAの発現量をみたところ、腎、肺、肝、精巣、心、脾での発現は認められたが、脳での発現は極めて低く、ヒトと同様の傾向を示した。この結果から、知能障害を認めないムコ多糖症IVA型の病態解析としてマウスが活用できる可能性を確認した。 2.λFix mouse MSV129ライブラリーを用いて、マウスGALNS遺伝子をクローニングし、24種類の陽性クローンを単離した。さらにSouthern blotとPCR法にて各クローンを解析し1〜14の全エクソンが含まれていることを確認した。現在制限酵素地図を作成し、詳細な構造を明らかにしつつある。またモデルマウスについては、まずはノックアウトマウスの産生から始めて行く計画であり、そのために得られマウスGALNSクローンを利用してマウスES細胞へのターゲティングベクターの構築を準備中である。
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