研究概要 |
SLAM分子はmemory T細胞,B細胞の一部,未分化胸線細胞に恒常的に発現しており,naive T細胞には発現が認められないものの活性化刺激により急速に発現誘導されることが知られている。またT細胞上のSLAM分子はcrosslinking刺激によりco-stimulation activityを示すことが判明している。 我々はSLAM分子の生物学的機能,特にco-stimulation入力のメカニズムを解析するため,そのligandの同定を試みた。この目的のため,まず我々は正常ヒト末梢単核球をPHAにて48時間刺激した後そのRNAからRT-PCR法にてSLAM分子のcDNAをsubcloningした。このSLAM分子の細胞外ドメインのcDNA(+1to+717)の下流にヒトイムノグロブリンFc部分のcDNAを結合させ,これをpCDM8プラズミド内に組み込んだ。このプラズミドはsequenceのmutationがないことを確認した後,P3U1細胞にstable transfectさせ,この細胞を大量培養することによりSLAM-lg蛋白を回収した。このキメラ蛋白は精製後SDS-PAGEにて分子量に問題がないことを確認済みである。以上の方法により得られたSLAM-lgキメラ蛋白を用いて,FACSにてSLAM-lgに結合する分子すなわちSLAMligandの発現している細胞をscreeningした結果,SLAMligandは活性化T細胞,memory t細胞に発現していることが判明した。現在その他の細胞上での発現及び発現誘導につき解析中である。
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