同一人頭部の若禿げ部、非若禿げ部毛包より顕微鏡下に毛乳頭を採取、毛乳頭細胞を培養し、それぞれの毛乳頭細胞よりmRNAを採取し遺伝子を得た後、プラスミッドに組み込み大腸菌で増やし2000個ののコロニーを得た。それぞれの遺伝子について、 1群:非若禿げ毛乳頭で発現されているが若禿げ部で発現されていない遺伝子 2群:若禿げ毛乳頭で発現されているが非若禿げ部で発現されていない遺伝子 3群:両者で発現されているものの発現量に大差がある遺伝子 を探し、毛乳頭細胞で独自に発現していると考えられる28個の新規遺伝子を見つけた。最終的には発現量の多いものから順に、1、2群それぞれ3個(計6個)、3群を4個、合計10個の新規遺伝子を選び出し、遺伝子DNAの全配列を決定した(新規遺伝子であることを再確認)。また、1群の3個についてはその配列に基づき人為的に合成したペプチドでラットを免疫し特異的抗体も作成した。現在、以上に述べた遺伝子の最終産物の機能やヒト皮膚における局在を解析中で、同時にノックアウトマウスも作成中である。 現在調べているのは全て新規遺伝子であるが、その中に若禿げに直接関与する遺伝子や毛周期に関与する遺伝子などが見つかる可能性がある。
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