研究概要 |
ヒト真皮メラノサイトが蒙古斑をはじめとする古典的な疾患以外にも、出現することが報告されてきた。 先に尋常性乾癬患者にPUVA療法を行い、療法中に青色斑が出現した3例を報告した。いずれも電顕的に真皮メラノサイトの存在を確認した。そしてこれらの発症が両側額に生じる(後天性両側性大田母斑様斑〕のいわば実験モデル的疾患と考えている。そして日光紫外線による真皮メラノサイトーシス誘導の可能性を示唆しテいると考えた。然るに、我々は紫外線効果のはっきりしている「日光弾性線維症」のメイラード反応により修飾された弾性線維について報告した(Photo-enhanced modification of human skin elastin in actinic elestosis by N-(carboxymethyl) lysine, one od the gylcoxydation prodacts of the Maillard reaction, J Invest Dermatol 108 ; 797-802, 1997)。そして現在そのマウスモデルを作成中であるが、その過程における真皮メエラノサイトの出現の可能性を追っている。しかし、マウスにおいては肥満細胞の増加をみるも、いまだメラノサイトの出現を見ることができなかった。今後もう少し紫外線量を増し、長期に観察する必要がある。また頭部皮膚において、しばしば瘢痕部などでメラノサイトが出現する。この現象を我々がはじめて見い出した。すでに数例の患者で確認しており、その出現機序についてこれから採りたい。またメラノサイト膜認識するMART-1抗体(Differential expression of MART-1 in primary and merastatic melanoma lesions, J Immono-therapy 20 ; 460-465, 1997)を用いてメラニン顆粒を有さない線維細胞と区別不可能なメラノサイトについての半定量化の確立も継続課題である。
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