研究概要 |
全身性強皮症(SSc)患者末梢血のTh1/Th2、Tc1/Tc2各バランスは、正常対照と比べてTh2およびTc2の比率が高いこと、Th2およびTc2優位がSScの罹病期間と逆相関する(短いものほど顕著である)ことを明らかにした(Tsuji-Yamada J, et al : J Rheumatology, 28 : 1252, 2001)。SScの早期病態形成にこのようなT1/2バランスの異常が重要な役割を演じていることが想定されるので、その誘導因子を解析することを目的として、tight skin mouse(TSKマウス)に対するIL-12発現プラスミドの病態抑制効果を検討した。その結果、TSKマウスに対するIL-12発現プラスミド筋注は、Th1細胞を増殖させ、サイトカインバランスをTh1型優位に誘導することによりコラーゲン産生を減少させ、皮膚線維化抑制効果をもたらすことが示された。同マウスに対する同処置の抗核抗体産生に対する抑制効果も明らかにした(Tsuji-Yamada J, et al : Biochem Biophys Res Commun, 280 : 707, 2001)。今回の研究はIL-12遺伝子治療がSScに対する治療にも臨床応用される可能性を示している。
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