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1997 年度 実績報告書

紫外線DNA損傷と免疫抑制の関連に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670901
研究種目

基盤研究(C)

研究機関関西医科大学

研究代表者

堀尾 武  関西医科大学, 医学部, 教授 (90026914)

研究分担者 岡本 祐之  関西医科大学, 医学部, 助教授 (10142291)
橋本 洋子  関西医科大学, 医学部, 助手 (70257955)
キーワード紫外線 / 免疫抑制 / 光免疫学 / DNA障害 / 色素性乾皮症 / ランゲルハンス細胞 / 接触アレルギー
研究概要

紫外線照射により皮膚とくに表皮角化細胞は,種々のサイトカインを産生遊離する。これらのサイトカインが免疫担当細胞に作用して生体の免疫を抑制すると考えられる。DNAは紫外線により傷害されることから,紫外線免疫抑制の最初のターゲットはDNAである可能性がある。そこでわれわれは,紫外線によるDNA障害の修復欠損を示す色素性乾皮症(XP)のモデルマウスを用いて紫外線免疫抑制の実験を行った。
まず,抗原提示細胞である表皮ランゲルハンス細胞(LC)は,紫外線照射により減少するが,XPマウスではとくに著しく減少した。すなわち,UVB25mJ/cm^2照射24時間後では,対照マウスのLCは照射前の約70%に減少したのに対して,XPマウスでは約40%となり回復も遅延した。
さらに,接触アレルギー感作も紫外線照射されたXPマウスにおいてより強度の抑制がみられた。紫外線照射部位に感作ハプテンを塗布した場合(local immunosuppression)のみならず,非照射部位での感作抑制(systemic immunosuppression)もXPマウスで有意に強度であった。したがって,感作局所でのLCの減少のみならず,全身の免疫を抑制する可溶因子が紫外線によりXPマウスでより強度に生じることが示唆される。そこで,紫外線炎症のchemical mediatorであり,かつ免疫抑制作用もあるprostaglandin(PG)の産生を検討したところ,XPマウスは対照マウスと比較して,紫外線照射により著しく大量のPGを産生した。
以上の結果から,紫外線免疫抑制にはDNA損傷により産生される免疫抑制因子が関与する可能がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Miyauchi-Hashimoto,H., et al: "Enhanced inflammation and immunosuppression by ultraviolet radiation in xeroderma pigmentosum group A(XPA) matel mice" J Invest Dermatol. 107. 343-348 (1996)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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